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2005.05 |
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魔法使いハウルと火の悪魔
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 著 / 西村 醇子 訳
映画「ハウルの動く城」を観て、スト−リ−が歯っかけでがっかりし、原作なら面白いんじゃないかと思い、読みました。土台は映画と一緒だったけど、物語は全く別物でした。
こういう少女っぽい(?)ファンタジ−は初めて読みましたが、登場人物たちのキャラクターが生きいきとしていてよかったです。
話のキ−ワ−ドに、古い詩を元にした謎かけの呪文が出てきますが、この話自体が、全体を頭の中で組み合わせて想像できるパズルのような構成になっていて、読む人によっていろいろな捉え方ができます。
見たままでなく本質を捉えろ、という教訓にも読めるし、家族の物語としても、単に成長恋愛ものとしても読めます。私が一番興味をひかれたのは、主人公ソフィ−の住む、魔法のある「ファンタジ−の世界」と、ハウルの故郷、イギリス・ウェ−ルズ地方の「現実」がきっぱり分かれて同列に出てくることです。
ファンタジ−の名著、「はてしない物語」でも、主人公バスチアンが、現実の自分の生きる世界と、ファンタジ−の中の世界が同列に描かれていました。ハウルも、私たちと同じコンピュ−タ−ゲ−ムや自動車のある、現実に住む普通の青年だったという設定がいい。産まれて一万日目という記述があるから27歳、故郷に帰るとラグビ−同好会の薄汚れたユニフォ−ムを着てふらふらしていて大学卒業時の卒業論文は呪術の研究(変人だ)。
ジブリの映画 では、ハウルはいかにも少女漫画の王子様然としていましたが、私の想像では、ちょっと斜に構えた変わり者の、でも根は普通の(もてない)青年なんだろうと思いました。青と銀の三角のパッチワ−クで袖の長いきらきらした服、おまけに弾けないギタ−っておまえそれピエロの格好じゃん。(笑) ハウルは見た目をやたらと気にするプライドの高い弱虫で、ルックスについての記述がよくでてくるんで、人によってどんなハウルを想像するんだろう、と気になって外国のサイトでこの本について検索したら、悪魔のようなハウルが表紙だったり、ロックスタ−のように描かれていたり、とさまざまでした。
物語の展開が早いので、気を抜いて読んでいると、あれ、いつのまにそんなことに?という箇所が出てきて前のペ−ジに戻って読み直すことしばしば。最後は強引な大団円でしたが、私も自分に魔法をかけるのはやめなくちゃあ、と勉強になった。笑
● 魔法使いハウルと火の悪魔 Howl's moving castle
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ Diana Wynne Jones / 著
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