2006.10.11
カポーティ
監督/ベネット・ミラー
出演/フィリップ・シーモア・ホフマン
予告編を見て、随分前から楽しみにしていた。
カポーティがノンフィクション小説「冷血」を書くまでのドラマ。事前に原作を読んでおいたほうが面白かろうと、図書館で借りたんですが、あまりの長さに返却期間に間に合わぬこと二回、そうこうするうち、映画が公開になってしまったせいか、予約入りっぱなしで継続して借りられず、まだ半分位しか読んでないです…。
原作では、各主要人物の、人間像についてのこと細かな描写がありますが、映画では、作者であるカポーティの人間性と思い入れだけを主軸に描かれています。クラッター一家の人柄のわかる描写もありつつ、カポーティの想いをからませていればもっと面白かったのに。
ペリーが私のイメージと全然違って、普通の好青年にしか見えなかった。混血で少しエキゾチックで小柄、という外見的特長はそのままだけど、もっと寸足らずで、不細工で、色が黒くて、土型系の青年を想像してたのに、映画での俳優は繊細そうな細面の人だった。相棒のディックも、もっと粗野な風貌がよかったな。
映画では、カポーティの物書きとしての打算と、犯人と親しくなるにつれて迷う気持ちだけに絞ってドラマになっていますが、私はいまひとつペリー役に親しみをもてないままだったので、主演俳優の演技力も相まって、カポーティの傾倒ぶりが少し上滑りして見えました。
というのも、半分しか読んでないから偉そうなことは言えませんが(笑)、恐らく「冷血」を書いた著者は、犯人達も被害者もとても尊重して公平に描いていると思います。単純極まりない動悸によるなんとも残虐な事件ですけど、誰でもペリー的な、クラッター氏的な両方の面を持ってるはずです。自分が誰のことも傷つけないような人間だと過信している人種も世にはいるかもしれませんが、そっちのほうが余程病的だし、まあ、単純に言えば愚かな人だ、と気付くようなお話だと思います、まあ、最後まで読んでないのでわかりませんが、たぶん。笑
余談になりますが、死刑囚って、すごくもてるそうですよ。いつでも、全国の死刑囚に面会を求めて来る「死刑囚マニア」の女性が後を絶たないそうです。先の無い死刑囚は、「私だけがこの人の理解者になれる」という錯覚から、ドラマチックで病的な恋愛マニアの女性に都合のいい対象なのでしょう。でもそれは、ナルシシズムの別の形でしかないのですが。
● 関連サイト
www.sonypictures.jp/movies/capote